朝の歯みがきで歯ぐきから少し血が出る。口臭が気になる。忙しいからと見過ごしてしまいがちなサインですが、その裏側で歯周病による慢性炎症がじわじわ進んでいるかもしれません。歯周病は日本人の多くが罹患する身近な病気で、放置すれば歯を失う原因になるだけでなく、全身の健康リスクと関連することが多くの研究で示されています。お口の健康を整えることが、将来の病気の予防にもつながる――それが予防歯科の新常識です。
歯周病は歯周病原菌とその毒性因子、そしてそれに対する宿主(からだ)の炎症反応が引き起こす病気です。炎症性物質(サイトカイン等)が血流を介して全身に波及し、以下のような関連が報告されています(いずれも「因果を断定」ではなく「関連が示唆」される領域を含みます)。
糖尿病:歯周病があると血糖コントロールが悪化しやすい傾向。歯周治療によりHbA1cがわずかに改善する報告があります。
心血管疾患:動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞リスクとの関連が示唆。慢性炎症が血管内皮機能に影響を与える可能性。
誤嚥性肺炎:高齢者では口腔内細菌の誤嚥が肺炎の一因に。口腔ケアの徹底が発症予防に寄与するエビデンスが蓄積。
妊娠関連:歯周病と早産・低体重児出産の関連が指摘。妊娠前~妊娠中の口腔管理が望まれます。
関節リウマチ等の自己免疫疾患:一部の歯周病菌が関与する可能性が示唆されています。
喫煙:歯周病の最大級のリスク因子。治療効果を下げ、再発を招きやすくします。
こうした背景から、「歯周病はお口だけの問題ではない」という認識が世界的に広がっています。歯ぐきの出血=炎症のサイン。見逃さないことが、将来の健康の守りにつながります。
おおいし歯科医院では、歯周病の早期発見・炎症コントロール・再発予防を三本柱に、患者さんごとに最適化した予防プログラムをご提案しています。ポイントは次のとおりです。
歯周基本検査(歯周ポケット・出血の有無・動揺度)で炎症レベルを把握。
リスク因子の評価:喫煙、口呼吸、糖代謝の状態、生活リズム、ストレス、薬剤(口腔乾燥を起こすもの)など。
噛み合わせの確認:咬合性外傷は歯周組織に負担をかけ、進行を助長します。必要に応じて咬合調整やマウスピースをご提案。
スケーリング/ルートプレーニング(SRP):歯石や歯根面のプラークを徹底除去。炎症の主因にアプローチします。
バイオフィルム・コントロール(PMTC):再付着しにくい滑沢面を作り、細菌叢の再構築を助けます。
必要に応じた局所療法:局所薬剤や洗口の併用、ポケット内清掃(状況に応じて選択)。
道具の処方:フロス/歯間ブラシのサイズ最適化、電動歯ブラシの導入、舌清掃の適正。
磨き方の個別トレーニング:あなたが最も磨き残しやすい部位(奥歯内側・前歯裏・ブリッジ周囲など)を可視化し、角度・当て方・順番まで設計。
食習慣の整え:間食の時間帯、就寝前の酸性飲料回避、就寝前の“集中ケア”のルーチン化。
禁煙支援:歯周治療の効果を高め、再発率を下げます。可能な範囲で段階的に。
歯周病は慢性疾患。一度改善しても、日常生活の中で再燃し得ます。
3か月前後の定期検診を基準に、炎症の再発兆候(出血・ポケットの変化)を早期に捕捉。
矯正治療中や喫煙・糖代謝に課題のある方、ドライマウスの方は短め(1~3か月)を推奨する場合があります。
セラミック・インプラント・ブリッジ等の補綴物は、境界部の清掃性とかみ合わせで寿命が変わります。定期調整が肝心です。
医科との情報共有(必要時):糖尿病や循環器疾患の治療中の方は、医科連携で安全に。
妊娠前~妊娠中の方:妊娠性歯肉炎の予防・口腔衛生指導を計画的に。
高齢者ケア:誤嚥性肺炎対策としての口腔ケア・義歯清掃の徹底、唾液分泌のサポート。
歯周病は全身の炎症リスクと関連する慢性疾患。
早期発見・プロの介入・続けられるホームケア・適切なメインテナンス間隔が、再発を防ぎ、全身の負担を下げる現実的な方法です。
矯正やセラミック治療の仕上がりと長期安定にも、歯周組織の健康は不可欠。
「最近、歯ぐきがしみる」「フロスで血がつく」「口臭が気になる」――ひとつでも当てはまる方は、今が見直しのベストタイミング。
埼玉県行田市のおおいし歯科医院は、お口と全身をつなぐ視点であなたの健康を支えます。
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